マロニエの並木道でシャンソンを聴く 其の六

皮剥き作業は大変な苦労を要し、試行錯誤の連続だった。ぬるま湯に漬けた実の皮は、ふやけ柔らかになる。しかし、実と皮の分離がうまくいかなく一人が100コ以上の実を包丁を使いながら剥く4人での共同作業になった。二晩を費やし、皮を剥くにしたがい包丁と手には、厚いシブがコビリ付き如何に栃の実に渋味(サポニン)が多いかがうなずける。ある地域では、口の歯で皮を剥き、口直しのために柑橘類を食べていたと本に書いてあった。私も豆粒くらいの実を口に入れたら、渋みでしかめ面になり舌がピリピリし数時間経っても抜けなかった。
一緒に作業したSさんは、こんなに時間を費やす皮むきなんか、次回からやりたくないと思っていたと後日語っていた。それでも、手間と時間をかけ約3升の皮を剥いた実がとれた時には、苦労が報われたと思った。
皮むき機
世の中には、作業に相応しい道具と言うものがある。栃の実専用の皮剥き機があることを知った。てこの原理を利用し実を挟み滑らないようにギザギザが付いているそうだ。

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