土鍋で飯を炊く [上]

 昨年秋、新米が食卓にではじめたころに友人から土鍋をいただいた。あれから半年間毎朝、土鍋でご飯を炊き食している。これまで、電子炊飯器を使っていたが、知人からガス炊飯器の方がおいしく炊けると教えられ、物置きに収納していたガス釜を取出し再び活躍してもらっていた。味覚音痴を自覚しつつも電子釜であろうが、ガス釜であろうが炊き上がりの良否は、収穫したての新米と水と火加減がおいしいご飯を炊き上げると思っていた。自信たっぷりに語る友人に感化され、土鍋をさっそく使ってみることにした。
初めて土鍋を使ってご飯を炊いた時は、見事にご飯を黒くこがしてしまった。自動でスイッチ(火)が切れるという安心感覚から脱しないでガスコンロに掛けたまま外にでてしまった。帰ると台所は、飯の焦げた臭いと煙がたち込めていた。わずか20分くらい目を離しただけなのにこの惨状に驚いてしまった。そういえば、釜に直火を当て見守りながらの体験は、山岳での飯ごう炊飯はよくやっているが、家では久々である。飯を焦がすのは当り前、水加減、火加減によって失敗を繰返し、毎朝変化に富んだ日替りご飯が炊けていた。こんな私でもようやく土鍋の特性を理解し、ご飯炊きが板についてきたと思っている。土鍋ご飯のおいしさ、魅力について少しお話しよう。
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土鍋で炊きあがったご飯 つややかでふっくらしている

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