土はいのちの源 其の3

食べ物には発酵食品が数多くあり、微生物の代謝作用により、糖質をアルコールや乳酸菌にしたりエチルアルコールを酢酸にするなど微生物の作り出す酵素のはたらきによって、食材の成分や味、香り、色など私たちの食生活を豊かにしてくれている。私が手作りのパンを焼き、みそ、漬物、ヨーグルトなどの食品材は、全て発酵を取入れた食品である。反対に腐敗は、たんぱく質やアミノ酸など微生物の作用により分解され、硫化水素やアンモニアなどの腐敗臭を発生させ、食べることができない有害食品になってしまう。このように食品には、「発酵」と「腐敗」があるように、堆肥となる有機物にも腐敗と発酵の微生物が介在しているという共通点があると思う。
微生物も生き物だから、私たちと同じように食べ物(栄養)が必要だ。その食べ物は、人間と好みが非常に似ており、成分を分解して自らの栄養分として摂取したり、新しい産物を作り出す。食材、有機物の種類や存在、温度など様々な要因によって変わってくる。つまり、微生物の代謝活動という点ではまったく同じことなのですが、有害物質や悪臭を発生させるものと、風味豊かな食べられるものとに変化することが、腐敗と発酵の区別になる。土の保水性と通気性、保肥性を高めるには、堆肥はワラや枯れ草、動物の糞などの有機物が堆積し発酵したものを、土に鋤き込むことが土づくりのスタートだ。

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