力強く鍬を打つ春耕

農業は自然の恵みをうけ生き物を育む産業だ。食料自給のほか環境保全にも重要な役割を担っている。たとえば、山林と里山などの景観の形成や文化の伝統継承を有し雨、雪などの自然災害から国土の保全を守っている。農業の多面的な役割を貨幣換算すると年間8兆2000億円余りに相当すると試算している。欧州連合(EU)などは環境保全に対する農業の貢献を評価し、農業者に環境直接支払の補助金を出している。日本の農業は衰退の一途で、自給率は3.9%に低下し穀物自給率は27%に。食料の6割を海外に依存し、大量の輸送には膨大なエネルギーを使い温室効果ガスを排出する。
世界の穀物(小麦、大豆、トウモロコシ)流通に黄信号が点滅している。穀物の消費量に対し在庫量が危険水準といわれる。輸出国もいざとなったら輸出を規制するだろう。
自然の生き物がきらめきを謳歌する春と、畑を耕し作物を作る喜びと夢を抱いているのに、日本の食料事情と農業に希望を見出せないでいる。

浄源塚の下で八色スイカの作付けをする農夫婦 4月20日

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