パーマーカルチャーについて No.2

緑のカーテンに続いて夏の熱さを少しでも凌ぐために花を植えることにした。5年前に竹細工に関心を持ったことがある。竹カゴや竹のオブジェ、竹垣、竹を編んだ生け垣などを自己流に制作していた。中でも孟宗竹で花のプランターを庭先に作ったら、我が家を通りかかった人達から多くの評価をいただいた。

孟宗竹の入手先は、友人の自家がある田上町まで軽トラックを運転して、片道2時間余りかけ竹林から伐り出してきた。竹細工用に伐る時期は木と同じように秋から冬の樹液の少ない季節に限られるのであるが、「思い立ったら吉日」で初夏に取りにいった。そのため成長期の竹は非常に重く、垂直に立つ竹を倒し、運ぶのに苦労したのを覚えている。

捍が3つぐらいあるように120センチに切り、一節ごとに2〜3箇所1/3ぐらいまで鋸で切れ目を入れ、ノミで切り落す。底は水の排水用としてドリルで3つの穴をあけた。竹のプランターを乗せる台は、山で間伐した杉を皮を剥いて立体的に組み合わせた。
ふだんは車を駐車していたのだが夏の照り返しを緩和し、昆虫などを招きくビオトープ(生物生息空間)を思い制作した。また、マリーゴールド、百日草やサルビアなど植えることによりコンクリートの地面を竹、杉、植物などの自然素材を使用することにより、心に潤いを与え美的景観を演出する。
そして、竹林は繁殖力が強いため、畑や住宅、庭までも侵入し厄介者とされ里山では植生形態に異変が起きている。笊、籠などの竹細工製品が生活の中から消えつつあり竹炭、竹作液、建築の床材など竹の活用を探っていきたいと考えている。

5年間使用しているため部分的に朽ちてきたいる
右下はヨモギの新芽を天日干ししている

パーマーカルチャーについて No.1

数年前から野菜栽培と昆虫や野鳥などの生物が無理なく共生できる自然環境が保たれないものかと考えてきた。格差と弊害が広がるなかで、地域資源の活用、有機農業、里山の再生、自然エネルギーの利用、地域住民の活性化、………暮らしを見直しいつくしむ視点から、ほんとうの豊かさを目指したいと思った。オーストラリアのビル・モリソンとが構築した人間にとっての恒久的持続可能な環境を作り出すためのデザイン体系を5年前に知り、その関係の本を読んだりしながら学んできた。パーマネント(永久な)とアグリカルチャ−(農業)あるいはカルチャー(文化)を組み合わせた造語だ。パーマカルチャーは、伝統的な農業の知恵を学び、現代の科学的・技術的な知識をも組み合わせて、通常の自然よりも高い生産性を持った『耕された生態系』を作り出すとともに、人間の精神や、社会構造をも包括した『永続する文化』をかたちづくる手法である。
道行く人々は、私の畑をみて「まるで公園のようだ」、[実験農場」、「メンドウミのいい菜園」という。確かに畑には、山から間伐した杉、猛宗竹の杭が随所に立ち長芋、きゅうり、インゲンなどのツル野菜が立体的に栽培されていた。その周りは日陰を利用して生姜が植えられ、平飼いのニワトリが餌をついばんでいる。ストーブの薪を積みあげ、隣には、石窯作りのパン焼きがあり、ブルーベリーの花蜜を求めミツバチが飛び交う養蜂、雑穀栽培………。なんとも楽しくなるような桃源郷ではないか! 平和の象徴、鳩と温めるの造語から「はとぽっと(鳩POT)」を5年前に立ち上げた。試行錯誤しながらも創りあげている途上のデザイン性と審美性を合わせ持った環境づくりを少し紹介したい。

第1回は、緑のカーテン。ツル科の植物を誘引し、壁面や窓を緑化する。

西日が当たる壁面と窓辺にアケビのつるをはわせている
その他夏ツタ、スイカズラ、ヘデラ科、朝顔、瓢箪、ゴーヤも壁を被覆させている


部屋の中からのアケビのカーテン 葉の光合成を利用


木の芽を窓辺から摘み取り春の食卓に添える


今ちょうどアケビの花が咲いてい
昨年の秋、熟したアケビを10個くらい収穫できた