イチゴらしさ

真っ赤に熟したイチゴを摘み採る楽しみ、その食感と味覚はまさしく初夏味として忘れられない。“忘れられない”と記したのは、春から夏に収穫する「一季なり」から年間を通じ店頭に並ぶ「四季なり」へと移り変わってしまったからだ。私がスーパーの売出チラシを制作始めた10数年前は、イチゴは新年初売りの目玉商品だったし、夏から冬にかけては店頭に並んではいなかったと記憶する。クリスマスになるとケーキにイチゴが乗っているのが不思議だった。何故ってイチゴは貯蔵と輸送が難しいから。数年立ってから気付いたのは、国内産イチゴは夏から秋の期間生産できなく、それを埋めてくれるのがアメリカ産であることを知った。しかし今では、全国各地から1年中、国内産の新品種イチゴが出回るようになった。山の緑が色濃くなり、ムッとするような畑の草いきれの中から赤いイチゴを見つけ、頬張った初夏の味。それは、遠い日の想い出か。
私が農業の面白さに関心をもち始めたのは、7程前だが、何故かイチゴ栽培だけは長い。毎年9月ごろからンナーから苗をおこし、移植して育ててきた。6月になると沢山のイチゴを摘取り、友人に届けたり、ジャムや果実酒を作って楽しんでいる。今年も大きなイチゴを栽培してみたい。

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イチゴの苗 春の柔らかい日差しを浴びながら

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これからトンネルを作ってあげよう