一番タフネスな野菜はな〜に?

先日、JA農協の専務を長年務めてこられたTさんと雑談をしていたら野菜のなかで日照りや寒波にも耐え、栽培できる丈夫な野菜は何かという話になった。Tさん曰く「ネギとサツマイモだ」と自信たっぷり。私の経験からも確かにネギは、土の上に投げ捨てても根が自然と伸び広がり土のなかに潜り込んでいき、自力でスーと立っているネギをよく見かける。また越冬用として貯蔵し、春を迎えると段ボールの中で密やかに初々しい緑の葉を伸ばしてたのに驚いたことがあるのでうなずける。
1週間前にサツマイモの苗を畝に30本植えた。すでに葉柄の脇から白い根が数ミリ顔を出しており、船型に移植した後、30分もすると地面にペッタンとしおれている。大丈夫かなと思いきや翌日にはしっかり頭をあげていた。冬に焼き芋を作るので毎年サツマイモを栽培しているから、そのバイタリティと生命力にいつも驚嘆している。肥沃な土地でなく痩せた土地を好み、戦中戦後の食糧難には、小学校の校庭にまでもサツマイモを作り食糧難を乗り切ったと父から聞かされてきた。
9月下旬頃にサツマイモの収穫期を迎え、芋を掘ると根が数百本細かく四方に深く広く張り巡らし、やせた土地のわずかな栄養分をも逃がさないで吸収していることがわかる。このように土の中だけでもたくましいのに、地表の生態もスゴイ! 葉柄はツルを中心に144℃の角度で螺旋状に付いているから、葉の1枚1枚が平均して太陽の光をキャッチすることができる。刈り取ったツルの繁殖力や残さの量に驚く。まさしくサツマイモもタフネスな野菜に加わえることに同感である。

透明マルチから顔を出しているサツマイモの苗


葉がそれぞれ重なることなく尚かつ同じ方向を向くから光合成を最大限に活用している とても素晴らしい植物生態ではなかろうか

パーマーカルチャーについて No.1

数年前から野菜栽培と昆虫や野鳥などの生物が無理なく共生できる自然環境が保たれないものかと考えてきた。格差と弊害が広がるなかで、地域資源の活用、有機農業、里山の再生、自然エネルギーの利用、地域住民の活性化、………暮らしを見直しいつくしむ視点から、ほんとうの豊かさを目指したいと思った。オーストラリアのビル・モリソンとが構築した人間にとっての恒久的持続可能な環境を作り出すためのデザイン体系を5年前に知り、その関係の本を読んだりしながら学んできた。パーマネント(永久な)とアグリカルチャ−(農業)あるいはカルチャー(文化)を組み合わせた造語だ。パーマカルチャーは、伝統的な農業の知恵を学び、現代の科学的・技術的な知識をも組み合わせて、通常の自然よりも高い生産性を持った『耕された生態系』を作り出すとともに、人間の精神や、社会構造をも包括した『永続する文化』をかたちづくる手法である。
道行く人々は、私の畑をみて「まるで公園のようだ」、[実験農場」、「メンドウミのいい菜園」という。確かに畑には、山から間伐した杉、猛宗竹の杭が随所に立ち長芋、きゅうり、インゲンなどのツル野菜が立体的に栽培されていた。その周りは日陰を利用して生姜が植えられ、平飼いのニワトリが餌をついばんでいる。ストーブの薪を積みあげ、隣には、石窯作りのパン焼きがあり、ブルーベリーの花蜜を求めミツバチが飛び交う養蜂、雑穀栽培………。なんとも楽しくなるような桃源郷ではないか! 平和の象徴、鳩と温めるの造語から「はとぽっと(鳩POT)」を5年前に立ち上げた。試行錯誤しながらも創りあげている途上のデザイン性と審美性を合わせ持った環境づくりを少し紹介したい。

第1回は、緑のカーテン。ツル科の植物を誘引し、壁面や窓を緑化する。

西日が当たる壁面と窓辺にアケビのつるをはわせている
その他夏ツタ、スイカズラ、ヘデラ科、朝顔、瓢箪、ゴーヤも壁を被覆させている


部屋の中からのアケビのカーテン 葉の光合成を利用


木の芽を窓辺から摘み取り春の食卓に添える


今ちょうどアケビの花が咲いてい
昨年の秋、熟したアケビを10個くらい収穫できた

じゃがいもの土寄せ

じゃがいもの植付けをしてから2週間がすぎた。暖かくなり目に見えて成長著しい。じゃがいもは地下の茎の部分を食用にするため、生育すると何回かに分けて土寄せをする。そうすると土の高さにしたがいじゃがいもの収穫が多くなる。鍬を持ち1回目の土寄せに精を出した。

土寄せの済んだじゃがいも


新品種のジャガイモたちがすくすく育ち安心している

母が作っていた野菜を受け継ぐ

早春、雪の間から黄緑色の初々しい芽が柔らかい日を浴びて伸びてくる。2、3週間すると緑色に衣替えしスーと空に向かって立つ。この野菜、葉ネギは母が生前育てていて、春と秋に株分けし途切れることなく栽培しつづけている。みそ汁の具や麺類の薬味、玉子とじなど春から初冬まで手軽に旬の味を食することができる。朝1分ほどで畑に入り夜露に濡れシャッキとした葉ネギを抜き取り手際良く料理できる私にとって極め付けの食材である。これからも無くすことなく株分けしながら、食卓を豊かにしていこうと思う。

ちょっと畑にいて採れる重宝な葉ねぎ

ミツバチ日記  No.2

ミツバチを飼育すると約一週間に一度、巣箱の中を点検しなければならない。女王蜂が1匹必ずいるか。卵、幼虫の生育状況。蜂蜜、花粉の収集量などを巣箱を開きながら点検していく。私は一番この作業に気が引ける。何故ならミツバチに刺されないよう白い服、帽子、面布、手袋、長靴を身に付ける。養蜂を始めた頃は巣箱を手荒く扱うと蜂に刺され、途中で逃げ出せなく痛みとかゆみ、冷や汗と夏の熱さで頭がくらくらした。ミツバチにとっては侵入者に対し、威嚇攻撃するのは本能だし「蜂の一刺し」というように刺し針はカギ型になっているから、腹の内臓が飛出しミツバチにとって一生を尽きるからやたらに命を粗末にしない昆虫である。
蜜源植物の花が咲き始めるこの時期、女王蜂1匹とオス蜂300匹、働き蜂(雌蜂)2万〜3万匹で一つの群れを形成している。

働き蜂が巣箱からはみ出している。


巣箱の上にもう一段継箱をのせた。

イチゴの花

ゴールデンウィークは晴天と気温上昇に恵まれ、イチゴの花が咲き始めてきた。雪消えの4月に保温と遅霜防止のため、トンネルの中で1ヵ月近く生育してきた。5月3日、20℃以上の気温でイチゴの葉が部分的に灼けてしまい、あわててビニールを剥ぎ取った。白い花弁が風に揺れミツバチが訪ねて受粉する。