5月10日 キューピット大和 新聞折込みチラシ

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作物から学ぶということ

毎年、約40数種の野菜や果実を作り収穫している。まだ百姓の野良仕事経験が浅いけれど、その中で一番面倒をかけて栽培しているのが玉ねぎである。お盆過ぎに種を播き冬を越し7月に収穫するのだが、秋に丈夫な苗を作ることで玉ねぎの良否が決まるといっても過言ではない。当地では玉ねぎを作る農家はあまり見かけないし、作っているとしても10月ごろになると種苗店で苗を購入し定植する。
私の場合は、良く耕した種床に〇.数ミリの細かい玉ねぎの種子をすじ状に播きその後、秋雨が続くので雨よけのトンネルを作る。二つの芽が開脚状に開き上に胞子の帽子を冠ったように発芽する様子は、まさしく命の芽生えに出会った瞬間だ。やがて3週間程すると4センチになり玉ねぎの苗だと分かるようになる。成長の遅い苗は間引く。生育を促進し風や光を良くあたり病気感染を防ぐために間隔を空けるために間引きをするのである。このことがわたしはどうも好きになれないでいる。すべての野菜は、株間に3粒くらい種を播き苗が成長すると間引きし優秀な1本を苗として残す。そのために数本の苗を育成するために3倍の量の種子が袋に入っていることになる。同じように人間社会でも、ダムやトンネルなどの危険な工事を請負うとき「人損」を想定し作業員を配置する。優劣にこだわらず苗を育てたいと思っている。1本1本が凛と真直ぐに立ち、しっかりと根を張っている苗を夢に見ている。野菜を生産し生業としているなら商品価値の高い作物を作らなければならないけれど、私のような人生を楽しみ自給を旨とし余ったら隣近所、知人に分け差しあげる。だから、大きさが不揃いでも虫食いでも自分なりに丹精込めた野菜たちには愛おしい気持ちを抱く。だから、種を播き発芽し、苗として育ったならば株分けして育てていきたい。

4月下旬頃の玉ねぎの畝


玉ねぎは有機肥料を多く与えないと太らない。畝に蒔いてあるのは発酵飼料としての小糠。その上に鶏糞と油粕を追肥する。

草餅を作る楽しみ

道ばたの野草が勢いよく伸び始め、緑の潤いを野に広げている。その中でもひときわ目を引くのがヨモギ。伝承薬草として、もぐさ、入浴剤、お茶などに日常的に使用されている人も多いと思う。この時期、4年前から柔らかい新芽を摘んで「つきかえし(ヨモギ餅)」を作ってきた。先日、是非教えてほしいという友人からのお声がかかり指南役を買ってでた。
農薬や除草剤などを散布していない山際まで出かけヨモギを摘み採ってきた。雨上がりの朝、濡れたヨモギは湿った空気にかすかな匂いを残した。友人の一人がヨモギには、♂ヨモギと♀ヨモギがあることを教えてくれた。♂ヨモギは葉の茎が薄紫色をしていて多少固いく、柔らかい♀ヨモギは草餅に適しているという。摘み採ったヨモギを沸騰した鍋に入れ15分ゆで、灰汁抜きとして重曹を一つまみ入れると鮮やかな緑色に変ってくる。
茹だったヨモギを笊にあけ、自然に冷ます。その間にうるち米粉ともち米粉を混ぜ生地を捏ねる。市販されている上新粉(うるち米粉)と白玉粉(もち米粉)で間に合わせても良い。耳たぶくらいの柔らかさになったら適当にちぎり、蒸し器に入れ約20分間強火で蒸す。蒸している時間にヨモギを包丁で細かく刻むのであるが、繊維が細く切れ味鋭い包丁を使ってもなかなかうまくいかない。友人は、包丁を叩くようにしながら刻んでくれた。調理場は、まな板を叩く音がリズミカルに響いた。次にヨモギをすり鉢に入れ、すりこ木でさらに細かくする。その中に蒸し上がった生地を開け、熱い内にヨモギと混ぜるようにしながらすりこ木で搗いていく。一人からすり鉢を抑えてもらいすりこ木を力強く上下に打ちながら搗いていくのであるが、非常に体力を要する行程である。しかし生地の白がしだいにヨモギの草餅へと変りゆくときには、喜びがわきあがってくる。
粒あんは、私が自家栽培・収穫した大納言の小豆で作ることになった。大納言は、小豆の中でも特定の品種群に属し、煮ても皮が腹切れしにくいことから、切腹の習慣がない公卿の官位である大納言と名付けられたとも言われている。大納言は大粒で種皮も厚いことから煮くずれしにくく、甘納豆や高級小倉あんの原料として用いられる。GW後は肌寒い日が続いたので、薪ストーブに火をつけじっくりと小豆を煮込みまろやかな粒あんに仕上げた。
適当な大きさに生地を丸く成型したら平べったくし、その上に粒あんをのせ包込むように二つ折りにして出来あがり。みんなで試食しながら春の香りと味覚を満喫したのは言うまでもない。

茹でたヨモギを刻む


すり鉢の中でヨモギと一緒に搗き終わったら粒あんを包み込み成形

ミツバチ日記  No.1

サクラから青葉の芽吹きの季節を迎えた。山の麓では、タラの芽、ゼンマイ、コゴミ、ワラビなど山菜採りが始まった。田畑は春耕の音が響き渡り、生き物たちは活気を取戻してきた。ミツバチたちも、蜜源植物の花が咲くと花蜜と花粉を集めるのに忙しそうに飛び回っている。

ミツバチは、花粉や花の蜜を求めて巣箱から半径2.5キロまで旅をする。花の香りや色、花の蜜の出る時刻などを記憶し、同じ種類の花だけを選んで効率よく蜜と花粉を集める。花は蜜のありかを目立つ模様で自己主張し、ミツバチによって花の受粉を確かなものにする。蜜を集めてきた働きバチは、花のある場所の方角と距離を尻ふりダンスで仲間に伝え、コミュニケーションできる社会性昆虫なのだ。本物のハチミツを採蜜したいと思って養蜂をはじめて8年目の春になる。今年は3群(3箱)でスタートする。


巣箱の入口は、白や黄、橙の花粉に鮮やかに染まりながら、体重の半分もの花蜜を採取し巣房へ持ち帰るミツバチ。


巣箱の中には、越冬用に7枚の巣板が入っている。蜂の数が多くなるにしたがい増やしていく。


巣板の穴に女王蜂は1日に約2,000個の卵を産み蜜、花粉が満杯になると巣箱のフタに巣を広げていく。

長芋づくりは大変だけど面白い

父と母が元気で野菜づくりをしていた頃、私は自分からすすんで農作業を手伝うことはしなかったが唯一、長芋掘りだけを任されていた。秋の澄んだ青空の日曜日、登山を諦め一日掛かりで芋掘り作業をしていた。そんな体験から、これまで作ってきた野菜の中で体力と根気を要する作物は、長芋だと思っている。ムカゴから種芋になるまで3.4年かかり、少しでも掘り易いように土を盛って畝を作る。そして収穫期の秋には、スッコプ1本で芋が傷付かないように、折れないように慎重に土を掘っていく。約70cmくらいの長芋を土の中から取出した時の喜びは、芋掘り人の誇りと言ってもいいだろう。そんなに苦労をしなくてエンビ管の中で長芋を栽培方もあるが自然栽培に執着している。この春もいつものように種芋を60本伏せた。


ムカゴから3年で20cm位の種芋になる


土を盛り種芋を伏せてツルを這わす柵を作った