考える葦(ヨシ)について

「人間はひとくきの葦にすぎない。自然の中で最も弱いものである。だが、それは考える葦である」哲学者パスカルの有名な『パンセ』の一節である。葦はヨシとも言われ、滋賀の琵琶湖周辺にはヨシ原が広がりスダレ、屋根葺きの材料や粉末にしてアイスクリームやケーキなどのお菓子にも加工されている。また河川の窒素とリンを吸収し水質の浄化作用にもなっている。私は梅雨に入ろうとするこの時期、魚野川や湿地帯に出かけヨシ刈りに精をだす。ヨシの丈は約130センチ。密集しながら真直ぐに伸びたヨシを左手でつかみ、右手に握った鎌で刈っていく。葉がザワワと擦れ、ザックサックと小気味良く刈られ、草いきれと川面を渡る風が快い。時には、子育て中のヨシキリに遭遇することもある。両手で抱えるくらいのヨシ束を肩に担ぎ、土手を登りトラックの荷台まで運ぶことを20回以上往復すると、作業服がぐっしょりと汗で濡れる。約2時間くらいで軽トラック3台分になる。
5年前から畑のマルチ用としてヨシ刈りを続けている。始めはカヤ利用していたら、親類の古老が「カヤは繊維が硬く3年位まで畑に残るが、ヨシは柔らかく1年で土に還元され堆肥となる」とアドバイスしてくれた。長年の生活の知恵を教えていただきありがたかった。主に畑のマルチには、ビニールマルチを使っている人が多いが、私は、特別の場合を除きヨシや、雑草、残さを使って畝を被っている。

0113
三用川の河川 中州には一面ヨシが自生していて左側にわずかに流水が流れている窪みが見える

029
河川敷のヨシを刈り、束ねたヨシを担ぎ左側の土手を上る

039
畑に敷きつめたヨシのマル
左奥からカボチャの白爵、縞瓜、ウコン、トンネルの中はプリンスメロ